砂漠での厳しい仕事(アルジェリア)~余談:「砂漠」の中をタクシーで移動~
【アルジェリア関連続き】
アルジェリアの主な仕事は、プラントビジネスを受注するための契約交渉、そしてプラント受注後に契約を実行するためのプラン作りなどでした。
砂漠のど真ん中で行う契約交渉は厳しい物でしたが、日本のエンジニアリング会社と組み大きなプロジェクトを受注できた時は喜びもひとしおでした。
契約は競争で、価格面、品質面、サービス面、納期面などが総合的に審査され、最終的に1社(1グループ)との契約になります。
日々の交渉内容を日本の本社へ伝え、指示を得るのに衛星電話を使っていました。
固定電話だと盗聴されたり、情報が洩れる恐れがあるため、ラップトップサイズの衛星電話を日本から持ち込み通信手段として使っていました。
交渉は毎日行われるのではなく、交渉が全くない日もありました。
そういう日は息抜きしようにも、滞在キャンプ地は砂漠に囲われていて、何の余暇もありません。
当時はインターネットもありません。TVもわけのわからない番組が数チャンネルあるのみ。
持ち込んだ本も2-3日で読み終わり、他の出張者と読書交換のような恰好で本を交換したりとか。。。仕事以外も辛い日々でした(笑)
このような衛星電話を持ち込み日本と通信していました。
四角い的のようなものはアンテナ機能で、衛星をさがしてそこの電波が当たるように向きを変えながら通信していました(14サイズのPCくらいの大きさ)。
油田では処理しきれないガスや石油はこうやって燃やされています。
こういうガスや石油を回収し、再処理することもエネルギーの有効利用となります。
また、温暖化防止にもつながります!
当時契約したビジネスは、石油とガスを分離するプラント設備、そして、自噴能力が弱り少し古くなった油田やガス田に圧力をかけることで、自噴能力を再生させるプロジェクトなどでした。
(イメージ図)
プラントの周りはこのような砂漠が広がっています。
砂漠はもう見飽きたというか、辛い思い出がよみがえる光景となりました(笑)
余談:砂漠の中を延々とタクシーで走ったこと
出張時は首都のアルジェに滞在しながら、タイミングを見計らい砂漠にある設備近くまで飛行機で飛び、設備に併設する宿泊施設に寝泊まりしていました。
ある日首都のアルジェに滞在中、緊急事態が発生し砂漠にある設備へその日のうちに赴く事となりました。
ところが、設備に隣接する街へのフライトは当日飛んでおらず、目的地から200㎞ほど離れた街へのフライトを予約し移動。
飛行機を降り立った街も砂漠のど真ん中でした。
そこから200㎞離れた設備(目的地)に移動するにはタクシーしかありません。
胡散臭そうなドライバーが数多くいる中、紳士的な目をしたドライバーと条件を交渉。
ところが公用語のフランス語が通じない。もちろん英語なんて話せるはずもない。
現地の民族語かアラブ語しか通じないよう~仕方なく、木の棒切れで砂漠の砂に、行き場所のイメージ図を描き、価格面も砂に数字を書きながら交渉。
なんとか話はまとまったものの、車は古いルノーでエアコンは効かない。走行していると足元から風がビュンビュン入ってくるので、なんだろうと足元をみると直径5㎝くらいの穴が開いているではないか。。。
(イメージ写真)
おいおい、こんなおんぼろ車で途中で動かなくなると砂漠で身動きとれなくなるぞ~とおぞましくなりました。足元の穴ぼこを見せながら「大丈夫か?」というジェスチャーを示すと、ドライバーはニコニコしながらまったく気にしてない。。。
かれこれ3時間~4時間、無事目的地に到着。
ドライバーには多めのチップを渡し、感謝の念を伝えました。ほっ(笑)
余談2:砂漠のサイト・キャンプ
サイト・キャンプのイメージです(↑)
砂漠の真ん中ですが、部外者が入り込まないようにサイト・キャンプは塀で囲われています。そこに仮設風のコンクリート住宅を設置。室内は寝室のほか執務コーナー、シャワーとトイレが完備。もちろんエアコンもあり快適に暮らせます。キャンプ内にはレストランがありますが、朝・昼・晩と滞在中はずーっと同じレストランで食事を摂るので正直飽きてきます。また、キャンプ内にはミーティング専用の建物もあり、契約交渉はそこで行います。
塀の外は荒野の砂漠が広がっており、基本的に滞在中は塀の中で暮らします。
変な言い方ですが、体のいい刑務所みたいな感じです(笑)






このブログへのコメントは muragonにログインするか、
SNSアカウントを使用してください。