鎌倉~湘南のローカル情報

4年の南アフリカ生活を終え日本へ帰国!鎌倉~湘南を中心にローカルな話題をお伝えします!

ランドという南アフリカの通貨

南アフリカの通貨は南アフリカランド。日本円がJPYと表記されるが、ランドはZARと記される事が多い。
(Source:アフロ)

2015年頃は1ランド≒約10円で、換算しやすかった。私が赴任した今年の年初は1ランド≒約7円とここ5年で30%ほどランド安(円高)になっている。
コロナショックで、新興国の通貨が全体的に安くなり、南アランドも一時1ランド≒6円を切っていたが、最近は1ランド≒6円台で推移している。

(直近では1ランド≒約6.4円)


その昔、金の産出で潤っていたころの南アフリカのランド通貨は強く、ビジネスの世界でもハードカレンシーとして一目置かれていた。
そして、長くアフリカで唯一投資適格国として君臨してきたことも強いランドを裏付けていた。しかし、3大格付機関で唯一投資適格国として扱ってきたムーディーズが、折にもコロナ感染が拡大し始めた4月に、国債の格下げ(Baa3からBa1へ格下げを行い、南アランドが売り込まれ、1ランド≒約5.7円まで下落。
その後も1ランド≒6円を行ったり来たりの状況が続いている。


通貨が安くなると、物価が上がるものだが、この半年間の物価変動をみていても、さほどの値上げ実感は今のところない。政策金利が3.75%と新興国の割には低く抑えているところが功を奏しているのかもしれない。
しかし、通貨が安いと輸入品の価格は上げざるを得ないと思う。
今後の物価上昇は少し心配である。


格付が向上することが、強い通貨への復活プロセスとなるが、国営の独占電力会社のESKOM社の経営悪化もランド安に導いている。同社の負債額が4800億ランド(≒約3兆円)と膨大で、資金不足からろくに設備のメンテナンスが出来ず、計画停電が日常化している。南ア経済のアキレス腱となっている。
こういう状況下、外資は呼び込めず、格付向上へのハードルはかなり高そう。


ランド安にはブレーキがかかってきている感じはするが、ランドが大きく高くなる事は当面なさそうかな。