インド秘話 ~携帯用靴ベラがスプーンに化けた編~
インドでのエピソード第2弾です。
仕事でインド内を出張する時は、ホテルに靴ベラが設置されているところが少ないので、いつも携帯用の靴ベラを持参していました。
あるインドのホテルに1週間滞在するためにチェックインしました。
スーツケースを開き、数枚のYシャツをクローゼットに吊り下げ、その下にビジネス用の革靴と携帯靴ベラを並べて置き、翌日からの仕事に備えました。
ホテルは英国風で、テーブルの上には、果物がナプキンに包まれたナイフとともに添えられていました。センスよく、なかなかいい雰囲気でした。
翌朝、身支度がほぼ終わり、携帯靴ベラを使い革靴に履き替え、「携帯用靴ベラは室内スリッパの上にちょこんと置いて」、出かけました。
仕事と食事が終わり、夜9時頃部屋に戻ると、部屋は綺麗に片付けられていて、前日同様テーブルの上に新しい果物が添えられていました。
しかし、不思議なことに「テーブルのナプキンにナイフとともに、なぜか‘‘携帯靴ベラ‘‘が一緒に包まれているんです?」 なんやねん、汚いなと思いました。
そして翌朝も、革靴に履き替え、携帯靴ベラをスリッパの上にのせて出かけました。
そうして、夜戻ってくると、なななんと昨晩と全く同じ、「携帯靴ベラがナプキンに包まれテーブル上にありました」。なんや、からかってんの?と思わず苦笑い。
よくよく考えてみました。インドのメイドの方は、携帯靴ベラを恐らくちょっと形状の変わったスプーンと思ったのでしょう。それで、スプーンと思いこんだ携帯靴ベラがスリッパの上に置いてあるもんだから、それを拾って洗い、そしてナプキンに包みテーブルの上に置きなおしたのでしょう。
【イメージ】
当時インドでは、まだまだ多くの老若男女が裸足で外を歩いている時代でした。せいぜい履いているものはつっかけサンダルのようなものが主流で、靴は珍しい代物でした。ましては、メイドの方は携帯靴ベラなんて見たことがなかったのでしょう。それをちょっと形の変わったスプーンと思いこんだのも無理ないかもしれません。
そう悟った私は、3日目からは携帯靴ベラは、引き出しの中に入れて出かけました。
携帯靴ベラがスプーンになったお話です。
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